私は、生物を学ぶ大学生です。今は就活真っただ中。
進学をするとき、私は就活が不利になることまで理解した上で生物を学ぶ決心をしました。当時の私は、せっかくの学ぶ機会を就活の有利不利で棒に振るのはもったいないと思っていました。間違っています。高校生の皆様、いいですか。基礎生物学の専攻はオススメしません。特に生態系。
ちゃんと理由を説明しますね。大きく分けると、オススメできない理由は3つあります。
- 理系就職の有利を活かしにくい
- ほぼ文系就職だと、理系の忙しさのメリットと吊り合わない
- (院進率高いところだと)研究室の引継ぎと就活の両立ができなくて詰む
順番に説明しますね。
1. 理系就職の有利を活かしにくい
生物系は、理系就職の道が難しいです。研究者はあまっています。とくに、大学院に進学しない場合は一層望みが薄いです。
企業によっては、理系のみ募集の研究職で、生物系は対象外なんてところもあります。私も、選考うけようか悩んだ数社(機械系の企業)が生物は研究室応募できないところで、泣く泣く諦めました。少しでも化学や工学に興味のある皆様、生物は趣味でやりましょう。大学で学ぶ学問は、別のモノをお勧めします。生物系に進学している皆様、少し化学に方針転換をしましょう。うまくいけば、化学系メーカーの研究職は狙えると思いますよ。生態系だけは、間違えても進んではいけません。面白いですが、就職先を失います。あれば、ポスドク研究者のキャリアを目指す人が進む道です。
自分は食品系にしか興味ない、種の会社行くんだ、畜産やるんだ!と思っている皆様。いいですか、農学へ行きましょう。ゴリゴリの基礎生物学に進んではなりません。
2. ほぼ文系就職だと、理系の忙しさのメリットと吊り合わない
悲しいかな。実験がバカ忙しくて、大学時代ほとんど勉強なのに、就活でもリターンがない。それが生物学専攻の現実です(大学によって差はあると思います)。特に、生態系の過酷な実験を乗り越えた学生の皆様、理系就職は困難です。理由は、専攻を活かせる企業がほぼないから。
そして、理系就職をあきらめた生物学専攻が到達する道は文系就職になります。
文系就職でも、理系を求める企業は一定数あります。理系という理由で逆求人サービスからスカウトも届きます。でも、これは基礎生物学でなくてもいいんです。もう一度言います。生物学の利点にはなりません。スカウトは、物理の学生にも化学の学生にも農学の学生にも届きます。少しでも他の学問に興味を持てるなら、基礎生物学を専攻せずに、別の理系に行くことを強く勧めます。
さらに、文系就職となるとぶつかる相手は時間を持て余している文系学生。彼らは、授業も研究室の引継ぎも無縁の世界にいます。企業研究の時間、就活準備に使える時間が理系学生とは比べ物にならないくらい多いです。多くの時間を費やせる文系学生と同じ土俵で勝つ自信がありますか?
研究室の引継ぎや英語論文の発表準備、そうした学業に追われながら、文系学生のライバルと限られた時間で工夫して戦わなければいけない。これが文系就職の現実です。
3. (院進率高いところだと)研究室の引継ぎと就活の両立ができなくて詰む
これは、院進率8割超えの生物系学生特有の悩みかもしれません。研究室の引継ぎに終活の配慮を感じません。もちろん、面接があったり説明会がある日にお休みすることはできます(研究室によってはこれすら難しいとか……)。就活解禁日にも朝から研究室に行く生活で、どうやって就職しろと???
いいですか、院進率が高いけど学部卒で就職をしたい生物系の皆様。研究室が忙しくても、就活はなくなりません。春休みで時間のあまっている文系学生と闘わなければいけないのです。これのどれほど辛いことか。少なくとも、研究室をちゃんと選ばないと時間がなくて詰みます。まず企業と出会えません。企業と出会えない=受ける企業が減っていくということです。正直、無理です。それでも進むしかありません。
せめて、研究室選びを頑張ってください。学部卒の就活に理解のある研究室でないと確実に詰みます。
まとめ
強引にまとめます。基礎生物学専攻はやめましょう。おすすめできません。
就活のタイミングになって、ほとんどの人が後悔すると思います。私も「就活が不利になろうと生物を学びたい」と思って基礎生物学に進んだ一人です。しかし、現在死ぬほど後悔しています。どうか後輩に同じ過ちを繰り返してほしくない。
それでも、基礎生物学を学びたい皆様、真剣に学びましょう。学業をサボるつもりで生物に行くのはやめましょう。サボるつもりなら、これほどコスパの悪い理系もないと思います。実験は深夜まであり、生き物を扱うので4年生になれば長期休暇なんて関係なく研究室に通う、それなのに就職は有利にならない。真剣に生物を学びたい人以外が進学すれば、私以上に後悔することになると思います。
生半可な気持ちで選んではいけません。
そして、もし生物学にそれでも進みたいというかたは、ぜひ進学して、存分に学んでください。就職は有利になりませんが、生物学には面白いことが沢山あります。
そして、学んで後悔しましょう。就活の時、こんなはずじゃなかったと頭を抱えましょう。きっと、その経験がいつかの自分の選択を助けてくれると思います。
そして、就活は意外と何とかなるものです。私も、忙しい中で就活を進めて、内定までたどり着きました。大丈夫です。後悔しても道はあります。
深夜の懺悔タイムとばかりに何が書きたいのかわからなくなってきたので、尻切れトンボで逃げますね。
それでも生物は面白い。